シュン、となるあたしの肩を優しく叩いた桜瀬さんは



「気にしないで。私だって最初の半年はひどかったよ〜?それこそ双葉さんよりずっとね」



いつもの美しい笑顔を見せてくれた。



「さ、桜瀬さん…」



「ほら落ち込んでる暇あるなら、さっさとやっちゃおー!」



何事にも前向きで、全てを笑顔で受けてしまえる桜瀬さんは、あたしにとって天使のような存在で。



「はい!」



こんな使えないあたしにも味方がいるんだ、頑張ろう。と思える職場にしてくれる存在だった。



「双葉さんって視力どれくらいなの?」



と、気分転換になのか、桜瀬さんがあたしの眼鏡を指差して言う。



「たしか0.04くらいです!」



思い出して桜瀬さんを見ると、桜瀬さんは目を瞬かせてあたしを見る。