社内恋愛発令中【完】

蓮也さんはあのとき、確かにあたしの頬にキスをした。



思い出す度ぼーっとしてしまう。



(どうしてあんなこと…)



カレーの香りが部屋に広がり、あとは蒼井さんを待つだけになった。



時刻は20時を過ぎたところ。



まだ帰ってこないだろう、と思っていた矢先。



___ガチャ



玄関の開く音がした。



ビクッと肩が上がる。



「あ、あお、蒼井さんっ」



何故か緊張して舌が回らない。



そんなあたしを見て、蒼井さんは吹き出した。