社内恋愛発令中【完】

「ちょ、や、からかわないで下さい…」



蓮也さんの手を離そう力を込めるが、その手は動かない。



「れ、蓮也さんあたし____」



蓮也さんを見上げながら抗議しようとした声は、頬に響くリップ音にかき消された。



「ごめん、許して」



蓮也さんはそう微笑むと、頬から手を離し、頭を撫でると背を向ける。



あたしは蓮也さんが去ってからも、しばらくそこから動くことができなかった。



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「あちっ」



熱いものが手に触れ、気がつくと鍋が目の前にあった。



ぼーっとしていたあたしに、鍋が知らせてくれたようだ。



頬にまだ感触が残っているよう。