社内恋愛発令中【完】

『怖かったよな』



自分を責めてしまうほど、真っ直ぐな姿。



あたしは蒼井さんを、人として尊敬している。



「勝てないな」



ぼそり、蓮也さんが呟いた。



「え?」



袋詰めも終わり、あたしは蓮也さんを見上げる。



「昔から、俺は蒼井先輩には勝てなかったんだよ」



どこか寂しそうに、目を伏せる蓮也さん。



「何も勝てない…あの人には」



「…蓮也さん?」



掴めないその表情に、あたしはただ首をかしげる。