社内恋愛発令中【完】

「そ、そうだなって言うなら、ちゃんと説明してくださいよ…!」



目を逸らして言うあたしには、なんの強気も感じられないのは分かっている。



だけど何か言わないと、心臓の音が聞こえてしまいそうだったのだ。



「近々な」



そう言うと、蒼井さんはコップに入ったコーヒーを口に入れた。



コーヒーの香ばしい匂いは、いつも蒼井さんから漂う匂いだ。



「蒼井さんの匂い」



つい声に出してしまったあたしを、蒼井さんが不思議そうに見た。



「あ、その…蒼井さんはコーヒーの匂いがします…」



「匂いまで覚えてんなよ変態」



鼻で笑い、あたしをバカにするように見る蒼井さん。



「い、いつも一緒に仕事してるんだから仕方ないですぅ」