社内恋愛発令中【完】

その車は、あたしを通り過ぎようとしたところで止まった。



「双葉!?」



「…やっぱり、蒼井さん…」



中から降りてきたのは、案の定蒼井さんだった。



安心して全ての力が抜け切る。



「こんなところで何して……っ」



蒼井さんがあたしの服を見て顔をしかめた。



ビリビリに破け、下着が露わになった服だ。



あたしを立たせ、支えながら車に乗り込ませた蒼井さんは、運転席に戻るとあたしに上着を渡してくれた。



「…何があったんだよ」



喉から絞り出すような、掠れた小さな声。



泣いてるのかと、思ってしまうほどだ。