社内恋愛発令中【完】

男の人たちが少し手を緩めたその瞬間、あたしはドアを開けて外へ飛び出した。



すぐに後ろから人が追いかけてくる。



あたしは全速力で走り、住宅街を自分でも迷うほど複雑に駆け抜けた。



元陸上部だったことが救いだったか、すぐに逃げきることができたようだ。



「はぁ…はぁ」



頭痛が響く度に目眩がする。



どこを歩いているのか分からない。



あたしはその場に崩れ落ちた。



もう立ち上がる体力がなかった。



買った薬はどこかに落としてしまった。



意識を飛ばしそうになるあたしの耳に、エンジン音が近づいてくる。



もう見つかったのか、とその方向を見ると、見覚えのある車が。