10分で駅に着けば間に合うと思い、全速力で走ると3分で駅についた。



(陸上部入っててよかった…)



高校3年間陸上部に所属してたかいあって、7分の余裕。



4月の暖かい気候は、汗を滲ませた。



《間もなく電車が到着致します》



朝の出勤ラッシュの駅、人混みに押され電車の中へ。



周りにはサラリーマンだらけ、ハゲたおっさんだらけ。



疲れた足を休ませてくれるはずもないギュウギュウの電車は、やがて時間になると発車した。



男臭い車内、誰かの息が匂ってくる。



少なくともあと2駅は我慢するようだ。



これから毎朝こうなるのかと思うと、憂鬱で憂鬱で仕方がない。



幼い頃のあたしに言ってやりたい。