社内恋愛発令中【完】

「な、何もないですって」



「嘘つくなよ」



「嘘じゃないですよ〜。あーお腹痛い!トイレ行ってきます!」



逃げるようにそこを出て、とりあえずトイレに駆け込む。



洗面台の鏡に映った、自分の顔が歪んでいた。



桜瀬さんがやったとばかり思ってたのに。



『最近、桜瀬がご機嫌だって聞いた?』



どうして?



どういう風に嫌がらせをするか、桜瀬さんの中で決めることができてそれで…



無理矢理な理由に繋げることしかできず、自分の中の不安はますます大きくなるばかり。



嫌がらせをすると決めてご機嫌になる人がいるだろうか。



写真の中のあたしは、表情なんて分からなくなるくらい潰されていた。