自分の手が震えている。



呼吸が乱れている。



あたしに恨みを持つ人がいるってこと、そしてその人物の予想がついてしまって怖い。



「詩苑ちゃんおはよう!」



後ろから突然肩を叩かれ、これでもかというほど体が飛び跳ねた。



振り向くと、あたしの驚きように動揺する蓮也さんの姿。



「あ、な、なんだ蓮也さんか…」



「顔色悪いけど…どうかした?」



「それが…」



言いかけて言葉を詰まらせた。



あたしの顔を心配そうに覗き込む蓮也さん。



この人に、心配をかけてはいけない。