社内恋愛発令中【完】

「なっ、蒼井さん…!?」



蒼井さんが寝ているではないか。



焦って辺りを見回すと、どうやら車の中のようだった。



(なんで…?)



どうして自分が蒼井さんの車の中で寝ているのか、思い出そうとしても記憶が抜け落ちてしまってどうにもならない。



蒼井さんを起こそうと振り向くが、そうはさせない蒼井さんの寝顔。



静かな鼻息が、余計起こす気力を失わさせた。



昨日のお酒で記憶がないことは分かっている。



何かの理由があってここにいることは間違いない。



蒼井さんが起きるのを待とう、ともう一度蒼井さんを見た。



眼鏡の奥に伏せられた目には、男と思えない長いまつ毛。



女のあたしより綺麗な肌。