社内恋愛発令中【完】

分かってるけど、今元気を出せと言われても無理だ。



考え事が多すぎる。



「あと少しで昼休みだから。昼休みまでにそれ、暗記するように」



あたしが持つ紙をトントン、と叩くと、蒼井さんは椅子に座って自分の仕事に戻る。



もう一度大きな溜め息をついて、びっしりと文字が書かれた紙に目を通した。



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「え、桜瀬さんに?」



「うん…すぐ気づかれるって分かってたけど…」



昼休み、遥さんにさっきのことを話す。



あたしが秘書として働いたら、いつもの部署に顔を出せなくなる。



桜瀬さんに気づかれてしまうことが1番の恐怖だったのだ。



だからと言って、自ら言いにいくこともできない。