社内恋愛発令中【完】

「怖いだろ社長」



涙を拭きながらコクコク頷くあたしに、蒼井さんは優しく笑いかける。



「でも本当に今回の件、双葉だけが責任感じることじゃない」



「だけど…っ」



「もちろん社長の言ったことも頭に入れててほしいけど、1番甘かったのは俺だから」



蒼井さんの表情に、きっと嘘偽りはない。



上司として甘かった、そう言いたいのだろう。



「誤字脱字は気をつけるのが当たり前だよ。だけどその確認を怠った上司は上司として失格なんだよ」



「そんな…部長は悪くないです…!」



あたしがそう蒼井さんを見上げると、蒼井さんは眉を下げて笑った。



「社会はそうできてるんだよ。兄弟で喧嘩すれば、いつだって上が悪くなるのと同じだよ」



あくまで優しく冷静な蒼井さん。