変なの、と思いながら蒼井さんの元へ寄ると、蒼井さんの顔もどこかいつもより真剣な表情。



胸騒ぎがする。



「な、何か…?」



「社長がお呼びです」



「…え?」



社長、という言葉を聞き慣れていないあたしは、心臓が大きく跳ねた。



「理由は社長の口からお聞きになって下さい」



ついてくるように、と背を向ける蒼井さんのあとを追う。



心臓がバクバクして気持ち悪い。



嫌な予感しかできない。



「部長…?」



長い廊下を歩きながら、その静かな背中に呼びかける。