社内恋愛発令中【完】

寂しいような、心踊るような。



目を瞑って春を感じていたあたしの背後に、足音が聞こえた。



「蓮也と一緒にいたんじゃなかったんだ」



その声に振り向くと、タバコに火をつける蒼井さんの姿が。



「あ、あれ部長……桜瀬さんのところにいたんじゃ…」



「俺だってずっと愛想笑いしてられないよ」



ふぅ、と煙を吐き出して笑う蒼井さんの表情は、さっきまで見ていたものと違っていた。



ただあたしは、こっちの表情の方が蒼井さんらしくて安心する。



「酒飲んでないの俺だけだと思ってたけど…」



そう言いながら隣に腰を下ろして、背もたれに背中を預ける蒼井さん。



「飲んでなかったんだ?」



あたしを見て眉を上げた。