「柚歌先輩のようなバスケを見たくないからね。
それに、ずっと亜衣に言われてたのに、逃げてきたから…。
わたしは、前に進む。
ぶっ潰します」
ギラギラさせた瞳で前を見据える。
「亜衣…、巫美…!」
「戻ってきたみたいね、あの時の…」
「どん欲な瞳のギラつき具合がね〜!
でも、そうこなくっちゃ!」
「ふはっ、なんか立場違ぇ笑
任せた、知恵」
パシンッ
嶺央の挙げた手をわたしの手が叩く。
わたしたちが審判席の前に行こうとすると、絇瑠がピョコンと現れる。
「あ!知恵せーんぱいっ!
髪結んでる!
かっこいい!
似合ってる!!
ってか、誰かに似てる…。
ってかそれより、見てた?!
俺のクラス優勝!!!
すごいでしょ!?
やっぱ、あの日委員長から教わったおかげだよー!
でも、それをものにした俺すごいでしょ?
ご褒美は?!」
目をキラキラさせて、あからさまにキスをねだってくる絇瑠。