絇瑠のクラスの1年A組が優勝した。
嶺央は試合が終わると、すぐにマネージャーから氷のうをもらい、足首を冷やす。
冷やしてる時の顔は…とても痛くて悔しそうだった。
そんな嶺央には、ガッカリとしたため息、話し声が投げつけられていた。
〝んだよ、もう終わりかよ…〟
〝つまんねー試合〟
〝なーに、2年が1年なんかに負けてんだよ〟
〝後半、シュート率クソだな〟
それに反して、絇瑠はいろんな女子に囲まれ、ニコニコと王子スマイルを浮かべていた。
〝坂本君、すごぉーい!〟
〝きゃ!かっこいい!〟
〝すごいね!2年生に買っちゃうなんて…!〟
〝レギュラーも余裕で勝ち取っちゃうね!〟
〝先輩じゃ、相手になんなかったでしょう〜?〟
キャーキャーと騒ぐ声、甘い話し声、賞賛の拍手、注目の的。
違うでしょ…!?
その拍手は絇瑠に対してあげるものじゃないっ!!!
「嶺央、負けちゃったね〜って、ち、知恵!?
ちょ、何怒ってんの!?!」