「え、言ったでしょ?


Let's fight over the kiss of Chie.


知恵のキスをかけて戦おう


って?」


「は?!

知らん!?


聞いてない!!!!」


当然のように言ってきた絇瑠。


「え、言ったよ。


歩影、聞こえてたでしょ?」



そう言いながら、いつの間にか絇瑠の後ろにいた歩影と呼ばれる男子生徒に問う。


おぉ、こいつもイケメン君か。


でも、こっちの方が真面目だな。


黒縁メガネに黒い髪、それなのに地味じゃなくて、異様なほどに目立つイケメンオーラが放たれている。


「はじめまして。

俺の名前は
芦夏昰 歩影ーアシカゼ ホカゲー

絇瑠の幼馴染です。

以後お見知りおきを。



委員長ことMs.琴吹 知恵。


大変恐縮ながら、絇瑠は確かに言っていました。


何なら録音を聞きますか?」



「はぁ、どうも。

よろしく。



って、録音!?あんの!?


聞かせて!!!」


わたしは歩影のスマホの録音を聞く。

すると…確かに…。


Let's fight over the kiss of Chie.


「言ってる…」