「この声は…!くるりんぱ!!!」
憎々しげに言った先には手を振ってくる絇瑠。
「お、噂のくるりんぱ君?」
嶺央が興味津々に絇瑠に近づく。
「あ!もしかして、男バスのキャプテンの奥出 嶺央先輩ですか!?」
目をキラキラさせる問題児君。
よし、この間に逃げよう。
そうだよ、知恵、頭いいっ!
こんな話聞いててもきっとろくなことないよっ!
き、きっと…
「俺のことしってんの?
え、嬉しい笑
バスケ好きなのか?」
「はい!
俺、バスケ部に入ろうと思ってるんです!
先輩みたいな選手になりたいです!」
「何こいつ!
嶺央に向かっては敬語なのに、わたしに向かってはタメ口とか許せん!!
それに嶺央なんか目標にすると、変なギャグしか学べんぞ!!!
あ…」
よ、余計なことを喋ってしまった…。
に、逃げるはずが…。
「委員長、ひどいっすね。
奥出先輩をカスだなんて…」
軽蔑の目をする絇瑠。