嶺央が絇瑠を冷ややかに見、一言発する。


「すっかり、柚歌先輩の罠にはまりやがって…。

どうせ、嘘でも吹き込まれたんだろ。

例えば、知恵があたしの技術に嫉妬して、あたしに深い傷を負わせてバスケを最初出来なくさせた。もしくは、貶めさせたとかな?


違うか?」


まるで心を読まれたかのように言われたことを当てられる。


「…っなんでそれを……!」


「だろーな。
あいつのお決まりのやり方にまんまとハマったな…。

あのな…」


「もう、いいから嶺央…。
亜衣が心配。
…帰ろ」


「…分かった。
じゃあな」

巫美と嶺央は呆然とする絇瑠を置いて帰った。