言ってて虚しいな。
でも、下手なんだからしょうがないじゃん。下手なのをみんながオブラートに隠してくれてるだけ。
本当は気づいてた、シュートが全然入らなくてみんながイライラしてるのを。
仲良しだからって必ず、全てが一緒になれるわけじゃない。
亜衣、巫美とわたしの実力の差がやっとハッキリ見えちゃったなぁ。
わたしはこぼれ落ちそうになる涙をこらえて、笑顔になる。
「選抜メンバーのみんな、頑張って!
わたしもシュート練習頑張るから!
と言った矢先、先生!
ちょっと用事思い出したんで帰ります!」
落ちそうになった涙をこらえて、上を向きながら走る。
わたしはこの舞台から消えなきゃいけないんだよ。
だって、主役は2人もいらないでしょ?
もしかしたら、引き止めてくれるかなとか思ってたけど、それはなかった。
誰もきてくれはしなかった。
そりゃそうだ、みんな選抜メンバーに選ばれて嬉しいのに。
わたしのせいで暗い空気にしちゃったんだから。
わたしを戻したって気まずくなるだけだもんなぁ。
あーぁ、
認めなくなかったなぁ。
追いかけて欲しかったなぁ。
引き止めて欲しかったなぁ。
なんて、ただのエゴでしかないけど。
絇瑠の言う通り、足手まといは消えなきゃね。
でも、やっとみんなを守れた。
何かを守るためには何かを失うのは当然のこと。
平和で幸せな生活のために犠牲にしたものは3年前よりは少ないはず。
絶対にみんなを守るんだ。