アクアリウムで魅せて

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外に出ると、夏独特の湿度を含んだ風が肌を撫でる。
それでも昼間と比べると幾分涼しい。カーディガンを持ってきて正解だった。




「次はまたちょっと先になるかな」

「そーねー。
また二人で朝まで飲み明かしたいわ」


ケラケラと笑うに彼女につられ、私も笑ってしまう。


「また連絡する」

「おっけー。いつでも待ってる」


気の知れた友人とのこの瞬間は、何だかいつも名残惜しい。


本当はもう少し一緒に話をしたい……。
後ろ髪を引かれる思いで、駅までの道を彼女と歩いた。







ーーー不意に訪れた沈黙。
それを破ったのは菜月の方だった。





「私、自称香織の一番の親友だからさ」



"何でも話やすいって思える人でありたいの。香織には幸せになって欲しいから"



『"二人で幸せになろうね"』



LINEでお互いよく使う言葉。
こんな言葉を掛け合うなんて、子供じみてるかもしれない。

だけど彼女が今、直接伝えてくれた言葉には、魔法みたいなパワーを感じる。


熱くなった瞼。
思いが溢れてしまいそうだった。
外なのに……。本当、止めて欲しい。


優柔不断な私を、引き止めてくれるのはいつも彼女だったから。





「……うん。ありがと」


「菜月が男の子だったら絶対結婚してたのにな」なんて菜月に言ってみると「そーねー」なんて、調子の良い返事が聞こえた。


ちょっと!!本気で感謝してるのに!!笑

なんて思いつつ……。


いい友人に恵まれたなと、神様がいるなら感謝したい気持ちになった。