『拓翔side』





蓮を呼んでる。もうすぐ来るはずだな。



バタン



、、、来たな
蓮「何?拓翔」

『蓮、今日転校生きただろ?』

蓮「ああ。そんな事か」

『あいつらは俺が昔入ってた
族のやつらだ。』

蓮はもう気づいたと思うけど。


蓮「あー、やっぱり。」

『いいやつらだから。仲良くしろよ。』

蓮「ああ。」

『あと今日病院な。』

蓮「、、、、、、、、、。」

こいつなんでそんな病院嫌いなんだ?







蓮「話終わり?」

『あ?ああ。もう戻っていいぞ。』

蓮「分かった。じゃーな。」

『ああ。』

あいつが人に心を許す事が出来れば、、、

きっと、、、、、、








…バタァン!



ん!?なんだ?





薫「理事長。あんたに聞きたいこと
がある。」


ずいぶん喧嘩腰だね。

『ああ?誰にもの言ってんだ?(殺気)』

薫「、、、っ!?、、」


和「薫!この人は12代目の副総長だぞ!」

和哉か。やっぱしっかりしてんな。

直「えー!伝説の黄金期と言われた
12代目の!?しかも副総長!?」

直樹か。こいつも相変わらずだな。

薫「、、、え?、、、すいませんでした。」

『ああ。』


薫「あの、拓翔さん。」

『どうしたんだ?』

まぁ、だいたい予想はつくけど。

薫「嶺崎 蓮について知りたいんですが、
おしえていただけますか?」

だよな。

おもったより接触は速かったな。



『とりあえず座りな。長くなるから。』

みんな座った。

こいつらには知ってもらいたい。

そして蓮を救って欲しい。

『お前ら落ち着いて聞けよ。』



『あのな、蓮は、、、
、、、、、、性同一性障害なんだ。』


薫和直「!?」

まぁ、普通驚くよな。



『と、言っても生まれつきって
わけじゃない。もともと女だった。
よく笑う可愛らしい女の子だった。
蓮には兄貴がいてな。俺の親友だった。
そいつは、嶺崎洸太〈ミネザキコウタ〉』



薫和直「!!!!!」

直樹「12代目の総長!?」

『ああ。蓮と洸太は仲が良くてな、
よく一緒にいたんだ。
俺もよく蓮と遊んでた。
洸太が死んだあの事件は知ってるよな?』






………







やっぱり知ってるよな。

『あの時蓮も一緒にいた。
洸太が撃たれた時、
誰よりも早く駆けつけたのは蓮だった。
お兄ちゃん、お兄ちゃん、ってな。
死なないでってずっと泣き叫んでた。

あいつが死んでから蓮は魂が抜けた
ようになった。笑わなくなったんだ。

葬式でも涙を見せることなく
どこか遠くをぼーっと見てるよう
だった。』




あの時の蓮の顔は忘れられねぇな。

『葬式の後は俺も蓮と会うことが
無くなった。いや、俺から会うこと
を避けていたのかな。

笑顔のない蓮を見るのが怖かった。

何年かたって俺はこの高校を作った。

その時に中学生の蓮の噂をきいた。
会いたいと思った。
笑顔を取り戻せているかなと思った。

蓮に会いに行くとあいつは、、、
男になっていた。

しかも蓮は兄貴の事も忘れてた。

俺のことは幼馴染みだと
思ってたらしい。』












………



みんな黙り込んでる。

まだ話すことあんのにな。


『大丈夫か?』

薫「、、、はい。続けてください。」


『ああ。それでお前らに
頼みたいことがある。』

3人が顔を上げた。

なんだよ。頼りねぇ表情だなあ。




『蓮を救ってやってくれ。あいつに
思い出させてやりたいんだ。』

直「そんな、、、辛いことだったんだから
忘れたままでいいじゃないですか!

それより、洸太さんを殺したやつを
倒した方が、、、」


『俺はな、あいつにまた心から
笑ってもらいたいんだ。

なんで男になったのかは分からねぇ。
でも、俺はあいつに女に
戻ってもらいたいんだ。

別に復讐なんてあいつも望んでねぇ。』




洸太も俺と同じ気持ちだと思う。


薫「、、、俺達でよかったら
やらせてください。」


直和「っ!薫!?」






『ああ。頼んだぞ。』






薫「はい。」







薫はなんですぐ引き受けたんだ?

あいつは他人に興味がないやつだと、

聞いてたんだが、、、


薫「和哉、直樹。行くぞ。」


直和「お、おう。」

2人も不思議そうな顔してんな。




『あ、ひとつ言い忘れてたが蓮の前で
性同一性障害って言うなよ?
あいつ暴れるからな。』

直樹「女の子に負けたりしないですよ。」

『いや、油断するな。蓮のやつどこで
覚えたのか知らねぇけど喧嘩強いからな。
俺でも勝てねぇ。』



和哉「拓翔さんがですか?
それは気を付けた方がいいですね。」

薫「とりあえずあいつのとこ行くぞ。」



…バタン





行ったか。



頼んだぞ。鈴華……







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