あたしの名前は、櫂 美野里(カイミノリ)


高校2年で、テニス部所属


バレンタインとは全く無縁の女子です


バレンタインなんて本当にろくな思い出がない


あの忘れたくても忘れられない黒歴史......


あーヤダヤダ!


「何、一人で百面相してんのよ」


パコッ


アイタッ


「そんなに酷い顔してた?」


「してたしてた(笑)」


そんな感じでケラケラ笑ってるこの子は朝倉美羽(アサクラミワ)


中学からの付き合いで、一番気楽に話せる奴

身長は女子の平均だけど、小顔で手足は細くて、何より美人

毎年、男子からは逆チョコをもらっては告白される程だ


あたし?えーそーですよ、あたしは美羽の引き立て役ですよーだ


どうせ、あたしは不細工ですよー


取り柄といえるのは、身長が高いくらい

168cmあるからね


まぁ、どーでもいいか


「で?なんで百面相してたの?」

「別に、またあの黒歴史の時期がくるなーと思っただけ」

「あんた、まだ引きずってんの?」

「引きずってるわけじゃない。思い出したくなくても思い出すだけ」

ハァと美羽はため息をついた

「もー、そんな顔したら折角の美人が台無しでしょ!」

いや、あんたに言われても嬉しくないし

「美人でモテモテの美羽さんに言われたくありませーん。不細工でモテないあたしに対する嫌味?」

「何、いってんの!あんた学校の男子たちから高嶺の花扱いされてんの知らないの?毎年、バレンタインにあんたからチョコを貰おうと必死になってるのよ?」

何ソレ


「初耳なんだけど。美羽にならわかるけど」


「あんた、他人のことに関しては人間離れな程鋭いのにどうして自分のことには呆れるほど鈍感なの?」


「褒めながら貶さないでよ」



さっきからわけのわからないことをブツブツいってる美羽



一体、なんなのよ