私の家族は自慢だった。父は大手携帯会社。母は大手航空会社につとめていた。そして私は一人娘。私の家族は海外旅行だってよくいったし、共働きだったけど休日はなるべく家族でいられるようにしていてくれた。本当に私は幸せだった。でもあの日、私の幸せは一瞬で崩れてしまった-。
両親が死んだ。交通事故だった。最初は涙なんてでてこなかった。絶対に夢だとおもった、両親が交通事故で死ぬなんて。でも時間がたつにつれて現実だとわかってしまった。葬儀の準備はおじいちゃんとおばあちゃん、おじさんやおばあさんたちがしてくれた。葬儀がはじまったとき、やっと私は泪をながした。哀しかった。苦しくて、怒りが込み上げてきた。どうして私も一緒に逝けなかったのか、どうして私をおいて逝ってしまったのか。自分に腹が立った。哀しみと苦しさと怒りでおかしくなりそうだった。

葬儀の次の日、私は母方のおばさんの家に引き取られた。おばさんはとても私に優しく接してくれた。まるで本当の家族のように。でも、それでもいつも、私は孤独だった。