「ふぁ...」

 必死であくびを殺す。

 ここであくびをしちゃ、内申点が下がってしまう。

 正直、内申点なんてどうでもいいんだけど。

 河崎悠は、なんとかあくびを押さえると机につっぷした。

「はぁ...」

 自然と溜め息が漏れる。

 今は11月だが、このA組は暖房が効いていて暖かく、まぶたが下がってくる。

 うとうとしかけていると、後ろから背中をつつかれた。

 悠はゆっくりと後ろを振り向く。

「...何だよ」