「あ、ここから
テニス部見えるんですね。」
もう一人の影の薄い部員、橋本くんが
つぶやいた。
「なぁに~?
テニス部に好きな女の子でも
いるの~?」
香乃が興味津々という顔で聞いてる。
香乃そういうの好きだなー。
たしかに、ここからならテニス部の練習を見渡すことができる。
家庭科室の前には小ぶりな木が
一本あるだけで
その前は、昇降口へといく道を挟み
テニスコートになっている。
この時間にきてみないと見えないから
知らなかった。
「ち、ちがいますよ~。
幼なじみがテニス部なんで、
それで…」
「え~。女?女?」
「そうですけど、
別に好きとかじゃないんで…」
橋本くんがめんどくさいという顔で
窓の方へ目線を向けた。

