【短編】ネイル

「思い出した?俺正直あんときさ、人が頑張ってやった芸術をけなすな!って思ったんだよね。」


悪いことしたなぁ。
でも、あんときは仕方がなかったんだよ。

いじめが一番ひどい時期だったから。

精神的におかしかったんだ。



「でもさ、あのあと君の装飾されてない左手つめを見て思ったんだよね。こっちのほうが綺麗じゃん、って」



あたしは思わずトップコートを塗られたつめを見てみた。

たしかに、いつものネイルより綺麗かもな……。