その次の日の朝も大貴とは口を聞かず朝ごはんを食べて外出した。


子供っぽいな俺…。

反省したところで謝ろうという気にもなれない。


「成長しないな、俺…」

ポツリと独り言をつぶやいたつもりだった

「ほーんとにけいは成長しなくて子供だね。」

ずっと求めていた温かみのある声がそばで聞こえた

「ゆい…?ゆいなのか?」


ゆいじゃなかったときのショックを考え振り向かずに問いかけた

「そーだよ。ゆいだよ…。」

死んだにも関わらず俺を心配して来てくれたんだな。俺はすぐ理解できた

そして愛しいゆいのほうを見ようとした。が

「見ちゃダメ!!」

ゆいの叫び声で振り向けなかった

「私ね、今事故直後の体なの。ぐちゃぐちゃで…こんな体見せたくない。だから振り向かないで?」

ゆい…そこにいるのに見せてくれないなんて反則だろ?

そんな涙声で頼まれてもきついって…


「けい…私ね天国に行く日までの49日間をずっとけいのそばにいるって決めたよ。だからさ…49日間だけでもずっと笑顔のけいがみたい。大貴と笑い合うけいが見たいよ。お願い。」


鼻声の彼女の声はとても逆らえぬ意思の強さがにじみ出ていた。


あーあ。俺はとことんゆいに甘いな。。。

「わかった。俺大貴と仲直りするよ。」

なんて言っちゃった。


「そっか…ありがとう」

お礼を言うのはこっちの方なのに。

ゆいの言葉で勇気が出た。

ゆいに触れたい…

「けい。見えなくても一緒にいるよ。だから怖くない。寂しくない。」

俺の気持ちを察するように言葉を投げかけてくる


ゆいには勝てないね。


頑張るから。俺は頑張るからさ。ゆいも泣かないでずっと笑って見ていてね