リー•ゼクス

「唸れ!亡者の目覚め!」
ガンガンガンガン!!
「うるっせーよ!!」
思わず、本当に反射的に起きてしまった。
親父はフライパンとお玉を持って立っている。フライパンもお玉も金属製だ、確かに目覚ましにはいいのかもしれない。けれど親父の怒鳴り声とは質が違い、こちらのほうが鼓膜が破れる可能性大である。
「やっと起きたか。ねぼすけめ。さあ、さっさと飯を食って畑仕事にとりかかれ!」
でかい図体で木製の床をだんっと踏み倒さないで欲しい。本当に。
「にしても、セシル、お前の部屋、随分殺風景だな。そんなだから彼女ができないんじゃないのか?」
「ほっといてくれ」
確かに俺の部屋は物がない。あるのは今座ってるベッドとその隣に机と椅子、隅に小さなクローゼットくらいだ。しかも全部木製で模様も色もない。本当に面白みのない部屋だ。自覚はある。
「大体、親父に女がらみのことを言われたくないな。母さんが出て行ってもう何年になるんだ」
「てめぇ、人の揚げ足をとるとは、可愛くねーガキだな」