「あ、そうそう。そいつ、西里総合病院だぞ?」

「マジ?名前は?」

「前嶋 哉斗-マエジマ カナト-、知ってる?」

「…知ってるも何も、俺哉斗に勉強教えてたぞ?」

そいつは昔からウチの病院に入院してて、

従姉が主治医だったから遊び相手としてよく駆り出されていた。

「見舞い行ってたのに俺らよく会わなかったよな。」

「そうだな。」

「今日見舞い行くつもりだけど一緒に行かねぇか?」

「俺毎日行ってるから今日も行くつもり。」

毎日海実の顔を見に行ってるし、たまに哉斗にも会いに行ってる。

「じゃ、講義終わったら行こうぜ。」

俺らは一緒に見舞いに行く約束をしてから講義室に向かった。