「大丈夫だよ。何かあったら、海実に言ってくれて構わないから、無理はしないこと。」 木口くんの謝罪に直人くんが答える。 「はい。ありがとうございます。」 「じゃあ帰るね。雫、海実、明日ね。」 直人くんと彩葉は病室を出た。 彩葉は、今まで見たどんな笑顔よりも幸せそうだった。 これは奇跡。 奇跡のカタチ。 どんな奇跡よりも嬉しい出来事。 もう、これ以上の幸せはいらない。