「木口くん、よかったね。」

「そうだな。これで彩葉ちゃんも安心できるだろうし。」

「うん。」

それから他愛のない話を1時間くらいした頃、

木口くんのご両親は帰っていったから

私たちは病室へ戻った。

「ただいま〜。」

「おかえり。わざわざ時間作ってもらってごめんね。」

「全然平気。」

私は微笑みながら2人に言った。

「木口くん、初めまして。

清水 海実、彩葉の同級生…だったの。」

「俺は西里 直人、海実の彼氏でこの病院の院長の孫。」

「えっと…木口 雫です。彩葉の彼氏、です。

あの、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」