「ほら、そこが。」
そいつの手が私の髪の毛を触ろうと伸びてくる
それと同時に顔も近付いてくる
これじゃあ、まるで
「すっストーップ!」
そういうと同時に
伸びてきた手を掴む。
それが、初めて男の人の手をつかんだ瞬間だった。
あっお父さん以外の。
そいつの手はやっぱ男の人の手で
しかもなぜか、
こんなに暑いのに
とっても冷たかった。
「なんで?」
「あぁ、僕の手の冷たさですか?」
分かり切ったように
手を掴まれたまま答えるそいつ。
ってか手!!
ずっとつかんでるのも不自然かと思い
手をやわらかくのける。

