冷たい手


「あとから、やってあげる。」

そういうとぴたりとそいつの
髪の毛を抑える仕草が止まった。

「うっ…いいですよ。」

なぜか真っ赤に染まる耳。
それがかわいくて
早くショートホームルームが終わってほしいと
願うばかりだった。

「あー・・・それでだな。」

先生が何かを言いかけた途端チャイムが鳴る。

「おー…終わりだ。」

先生はその何かを伝えずに教室を出る。
先生が教室を出た瞬間
私は隣のそいつの頭をいじるために
いそいそと移動する。

「うぁ。いいですって!大丈夫!」
「いいから、いいから。任しといて。」

そうなだめると私はそいつの頭をいじり始める。