冷たい手


「ショートホームルームを始める。」

先生が教室に入ると同時にそう告げる。
ふと、私のもう一つの隣を見る。
そこは空席だった。

あいつが遅刻だなんて、珍しいな。

隣の席の奴は
優等生で、頭良くて
友達がいなくて
ネクラで、
なんかオタクっぽい奴だ。

そして私の惚れてる男でもある。

なぁんで、私はあいつに惚れてるんだろうか…
よくそう思うけど
同じクラスになって、
隣の席になって、なんとなくちょっかい掛けてたら
時々笑顔を見せるときがあって
その笑顔が素敵だって
いつの間にか恋してたんだよね。

そんな昔を思い出していたら
教室のドアが開き

「おっ遅れてすっすいません!」

あいつが入ってきた。