担任に促されてあたしの斜め後ろの空席に座る王子…じゃなくて桐山くん。
黒板には“桐山 玲央(きりやま れお)”の文字。
な、なんかあの見た目で漢字書かれると違和感が…。
騒がしめの第一回HRが無事終わると、案の定彼のまわりに人だかりが。
女子はもちろん、悔しがっていた男子も興味深々って感じだ。
扉付近には男女ともに多くの他クラスの生徒が来ている。
席近いあたしにとっては邪魔以外の何物でもないんですけど…。
「桐山くんてハーフなのぉ?」
「…そう」
「英語ペラペラだったりするのぉ?」
「…フランス語なら」
「フランスとか超かっけー!!」
