とても憂鬱だ。


 昨日、蒼依に「恋だね」と言われてからあたしは気が気でならない。


 今日から期末テストが始まるのに、昨日はまったく勉強に身が入らなかった。


「おはよう、紅音!」


「…おはよ」


 目の前にいる蒼依の笑顔が、いつもに増して眩しく見える。それぐらいあたしの心は沈んでいるようだ。


「昨日はちゃんと寝た?」


「うん……」


 本当は昨日のことが気がかりで、なかなか寝付けなかったけど、蒼依を心配させたくなかったから、あたしは適当に嘘をついておいた。