ウソツキセンセイ

 ぺたりと平塚先生は空いた片手であたしの額に触れる。


 ひんやりとしたその手が、テーブルにぶつけた部分を冷やしていく。


 ……やばい。


 また心臓が苦しくなってきた。


 ドキドキという胸の音が、平塚先生に聞こえてしまいそうで怖くなる。


「大丈夫?」


 そう言われて視線を上げると、すぐ目の前に平塚先生の顔がある。


「もう大丈夫です…!」