彼女─紅音も一緒に紅茶を飲みながら、しみじみと感慨深い表情をする。


 俺だって、まさかこんなに順調に行くとは思ってなかったけれど、他でもない君と約束をしていたから、破るわけにもいかなかった。


 ……というのは紅音が一番分かっているくせに。


「平塚先生」


 高校生の頃からあまり変わらない顔で、君は俺を見る。


 そう言うと、彼女は怒ってしまうから、少し大人びた顔つきで、と言い換えておく。