季節は、あっという間に巡っていく。


 高校三年生という約一年は、本当に短くて、今さっき卒業式を終えてしまっただなんて未だに信じられない。


「あーかーね!」


 胸元にピンク色の花のバッジをつけた蒼依が、あたしの席に近づいた。


「なーにさっきから窓の外ばっかり見てるの!」


「まぁ、いろいろ」


「そう?ねぇ、そろそろ下行こうよ!校舎前で写真撮りたいからさ!」


「あ、いいね!あたしも撮る!」