*** 日が暮れて、街頭がぽつりぽつりと明かりを灯し始めた。 平塚先生の車に乗って、あたしの家まで向かう。 「俺ね、少し離れたところの某大手企業に就職することになったんだ」 車の中で、平塚先生とそんな話をする。 「そこで働いてお金を貯めつつ、そのうち塾でも建てようかと思ってる」 「結局、先生を辞めないんですね」 「そういうことになるけれど、またちょっと違うかな。私企業の方が動きやすいし、俺の性にもあってるから」