化学の講習が半分ほど終わり、しばしの休憩時間に入る。


 昨日、あんな事があったというのに、あたしと平塚先生は何事も無かったかのように振る舞う。


 なんでそう振る舞っているのか、あたし自身にも分からない。


 でも、今日もいつもと変わらない化学の講習だった。


「はい、これ」


 平塚先生から、問題がぎっしりと詰まったプリントの束を手渡された。渡された瞬間、あたしは眉間にシワを寄せる。


「そんな嫌な顔しないでよ」


「いや…しますよ……」