*** 一時間を掛けて、やっと墓地についた。もうすぐ正午になるのか、太陽はあたしの頭のてっぺんにある。 墓地には年配の夫婦二人がちょうどお墓に水をかけているだけで、それ以外に人はいなかった。 「私、お水汲んでくるね」 「はーい」 蒼依は蛇口のあるところへ一人で行ってしまった。することもなく退屈なあたしは、蒼依パパのお墓の方へゆっくりと歩いた。