その晩、珍しく蒼依から電話がかかってきた。


「どうかしたの?」


『あのさー、明日お父さんの命日でお墓参り行くんだけど…』


 そうか、蒼依のお父さんが亡くなってから、明日でちょうど二年が経つんだ。


 中学の頃に、よく蒼依の家で遊んでいたから、蒼依のお父さんのことはあたしもよく知っている。


 だけど、二年前に不慮の事故で亡くなってしまい、蒼依は今お母さんと弟の三人で暮らしている。


『弟が部活の大会で遠くに行くみたいで、お母さんもそれに着いていくんだよね…』


「不安だからあたしとお墓参りしようってこと?」