ビュウッと、冷たい風が吹き付ける。

ただいま、12月。

もう少しでクリスマス。

クリスマスはカップルで、過ごすんだよね…。

私は寒いから教室の窓を閉める。

「冬は寒いもんなぁ。」

後ろには立花君。

普通にお友達。

「うん、閉めてよかった?」

「もちろーん、ありがと。」

可愛い笑顔で笑うんだなぁ。

授業も終わり、昼食に。

4人で…じゃないよ。

5人。

蓮君、横井君、私、悠里…

立花君。

「いただきー」

わいわい騒がしい教室。

私は卵焼きをぱくぱくたべる。

蓮君と立花君、横井君は3人とも仲が良くなったんだ。

まぁ、前はね、蓮君が勝手にライバル心燃やしてたけどね。ふふ。

「今度さー、俺たち遊びにくんだ〜!」

横井君が元気に言う。

3人でかぁ。

「楽しんでねぇ。」

悠里がニコッとわらう。

ほんっと、2人はラブラブだね。

ピンポンパンポーン。

呼び出しのチャイムがなる。

『1年の鳴海 桜香さんは職員室まで。』

んっ!?

私、初呼び出しだ。

「い、行ってくる!」

タタタッと駆け足でむかう。



「はぁ…」

手にはどさっとたくさんおかれた、プリントの山。

そーか。私、今日、日直だぁ。

よし。

重たい。

1年の教室は向こうの校舎の3階にあるから、すごく遠い。

ずるっっっ。

「わっ!?」

どたーーんっ、バサバサ!!

こけた。そして、プリントはバラバラになった。

人があんまりいないから恥ずかしくないけど、1人で全部のプリントを拾うのは大変だ。

足、痛いや。

たたっ、

ん?足音?

と思い、顔を上げると

「わっ、立花君っ」

びっくりした〜!

「鳴海ちゃんはおっちょこちょい。」

そう言って、立花君もプリントを拾う。

「なんで、来たの?」

「だって、君、日直でしょー?んなの、雑用頼まれるに決まってんだろ。しかも来るの遅いし。だから、トイレって言って手伝いに来た。」

ニヒヒっと笑う立花君。

「ごめんね、ありがとう!ここからいけるよ。先戻ってて。」

「ばぁーか、手伝いに来て、戻るとかねぇよ。ほら、半分こ。」

そう言って、立花君はプリントをとる。

それは、全然半分じゃなくって。

3分の2くらい、立花君で。

私、クスクス笑って、もう一度

「ありがとう。」

と言った。