【完】恋する話。

うーん、蓮君の好きな色は何色だろう。

とりあえず白のデニムシャツに黄色の花柄のワンピースを着て。

髪はふわふわとまいて。

ピンク色のリップ。

そして、白色のカジュアルなパンプスを履いて、家を出る。

今日は蓮君とデートです。

なにげに初デート…だったり。

昨日、帰り道でデートしよって言われて決まったの。

まぁ、わたしがめずらしくこんなかわいい格好するからお母さんはニヤニヤしてたけどね。



コツ、コツ、

パンプスの靴の音が心地よい。

待ち合わせ場所にはもう蓮君はいて。

「れ、蓮君!!」

「あ、きた………。」

蓮君は私を見るなり、ピタリと動きがとまってしまう。

え?ええ??

「かわいくてびっくりした…。」

口元を隠して、言う蓮君。

これ、照れ隠しなんだよね。

そろそろ分かってきちゃったよ。ふふ。


「あ、りがとう!」

嬉しい。嬉しい。

蓮君はジーンズにTシャツ、ジャケットを合わせた、ラフだけどかっこいい!

蓮君の顔だったらなんでもかっこよくなっちゃうかもね。

「行こうか。」

手を差し出されて、その手につかまると蓮君は優しく笑った。



「うわわぁ、すごい……!」

綺麗な水には優雅に泳ぐ魚たち。

今日のデートは水族館みたいです。

「みて、カメだよ。」

楽しそうに笑う蓮君。

「あははっ、このカメ、蓮君に似てる」

のんびりと泳ぐカメを指差す。

「えー、やだ。カメはのんびりするじゃん!」

私の頭を小突く蓮君。

「へへっ。」

私は水槽に近づく。

「綺麗だねぇ。」

………。

ねぇ?綺麗だね?

………。

ん?

返事が、ない…!?

くるっとふりかえると、人のなみ。

「れ、蓮君…っ!!」

どうしよう、迷子になっちゃった…っ?

あ、携帯…

ゴソゴソ。ゴソゴソ。

あぁ、もう!こんな日にかぎって携帯忘れるとか最悪…。

私は蓮君を探しにと小走りに走り出す。

そのとき。

段差につまずいてドタっとそのままこけてしまう。

子供連れの優しそうなお母さんが

「あらあら、大丈夫?」

と、声をかけてくれる。

私は立ち上がって走る。

「蓮君…っっ」

やだ、本当にいないよ。

走っていると「そこの君!危ないよ!止まりなさいっ」警備の人だろうか。

中年のおじさんが私を止める。

「っく…うぅっ」

泣いたらだめだぁー、ううっ。

「迷子かい?」

私は首をふる。

「桜香っ。」

愛しい人の声がした。

蓮君も走っていて、また警備のひとに

「君も!危ないよ!」

と注意されてる。

「行こ、桜香。」

手を取られ、そのままついてく。

汗だくで息を乱す蓮君。

蓮君ーーー。