「3.2.1.…」

ドドド…バァン。ば、ば、ばーん!

鮮やかな色とりどりの花火が打ちあがっていく。

私と蓮君は手をつなぎながら、花火を見上げる。

「綺麗だぁ。」

私がそう呟くと

「桜香の方が綺麗だよ。」

と蓮君が言う。

「なぁん!?」びっくりして蓮君をみると、恥ずかしそうに頭を抱えてる。

「まんがみてぇなこと言ってしまったです。」

確かに。ふふ。

漫画でありそうだね。

「ありがとう。」私はそういうと、花火を見上げる。

「10月23日。記念日な。」

「うっ、うん!!!」

記念日。記念日。記念日。

なんていい響きなんだろう。

「にやけすぎ。」蓮君に指摘されて、私は自分のほっぺをおさえる。

いつしか花火は終わってて、みんなが帰る準備をしてた。

「帰るか。」「うん。」

もう少し一緒にいたい、なんて。

よし、おさえろ、おうか!

付き合えただけでもじゅうぶんだもん!

「明日、も、一緒に帰ろう。」

ちらりと蓮君をみる。

いつもの優しい笑顔だ。

「うん!帰ろう!」私も笑う。

10月23日。

彼女→鳴海桜香。
彼 →上坂蓮。

2人は結ばれました。