「若菜ちゃん。これからも頑張ってね。何か困ったことがあればいつでも頼ってね」

「はい。ありがとうございます」







この春、高校に入学することになった私、岸 若菜は、今まで住んでいた叔父と叔母の家を出る。



私が10歳の頃、家族でドライブをしていたのだが、右折しようとしたところ、信号無視で突っ込んできた車と正面衝突した。


凄まじい有様だったらしいが、私は運良く事故の3日後に目を覚ました。


しかし両親は、正面からぶつかったために病院に搬送される前に亡くなった。


そのことを聞かされた時は、あまりの衝撃で何も言葉が出なかったことを覚えている。


両親がいなくて生活していけるのか、働くことのできない自分はどうなるのか、と不安に思った。


目を覚ましてから2日後に、叔父と叔母が見舞いにやってきた。


見舞いにきた叔父と叔母が自分の家にこないかと誘ってくれた。


行く宛の無かった私は勿論承諾した。


幸い事故での怪我は酷くなかったので、数日入院してすぐに退院できた。


そのまま叔父と叔母の家に向かった。


あまり私の家から離れていなかったので、小学校にも普通に通うことができた。


しかし、そこで待ち受けていたものは私にとって地獄のような生活だった。