ー翌日ー


久しぶりに外で買い物をした俺は、玄関で陽と知らない女が話しているのが見えた。


髪の色と肩からさげている荷物で昨日写真で見た女だとわかった。


折角だから挨拶でもしてやろうと思い、女に近づいた。


後ろ姿からでもわかる。


こいつはいい女だ。


絶対人に媚びたりしない。


海斗はきっと写真を一目見てそう思ったんだろう。


(おもしれぇ)


女に近づいて背後から抱きしめた。


普通の女ならキツイ香水の匂いがすると思ったら、フワッといい匂いが鼻をくすぐった。


抱きしめるとすぐに腕の中の女が暴れだした。


あんま嫌がることはしたくない主義だが、この女が嫌がるところを見るとちょっと苛めたくなってくる。


仕方ないから放してやるか。


ふと、こっちを見上げてくる女と目があった。


はっきりとした顔立ちで、吸い込まれそうなほど大きな黒い瞳。


そんな女に自己紹介をした。


すると女は「可愛がってくれなくて結構」と言ってきた。


なんだこいつ…ますますおもしれぇじゃねぇか)


従順なのもいいが反発する方が尚いい。


俺のSっ気がくすぐられる。


これからの生活が楽しみだな…